44年というとものすご〜く長い気がしますが振り返ってみたら、あんまりたいした事してへんなぁ… って感じるばかりですわ^^; いやほんまに… 自分の半生を本にしたら5ページくらいで終わってしまいそうです… いやほんまに… あと何年人生があるかはしりませんが、10ページくらいにはなりますかねぇ^^; 目次で2ページほどかせいで…
とかなんとか考えていると誰か来たようである。
「居てるかぁ?」
「何しに来てん」
「何しに来てんて… エライ言われようやなぁ」
「まぁええがな、こっち入りぃな」
「おぅ」
突然現れたようだがこの男、LPカズと呼ばれているワシの友人である。念の為に言っておくがLPガスではない。カズである。LPとはLife Plannerの略だそうだ。要はカズという愛称の生命保険屋である。こう言ってみるとどことなく軽薄そうなイメージを抱かれるだろうが、なかなかどうしてこの男… 男前なのである。見た目もそうなのだが、中味もまた男前なんである。小学校からの付合いになるが、昔から回りからの信頼の厚い、何かと頼りにされる男である。ワシも幾度となく助けていただいた… 本当に感謝している人物である。ただこの男… 小っさいのである。いや、これまた念の為に言っておくが、身長の事である。ポコーチンの事ではない。ワシも身長は小っさい方だが、ワシよりちょっと小っさいのである。ワシが勝っている点といえばこれとハゲ方… ぁそれと… この男のケツを拭いてやった事がある事くらいだろうか…
「レッドも44かぁ、信じられへんなぁ… 早いなぁ」
「あんたも半年後にはなるんやろ、今さらしみじみ言うな」
実はこのLPカズはワシときっちり半年遅れて生まれてきた男である。だからワシの誕生日はこの男の仮決算みたいなもんなのかもしれない… と訳のわからん事をたまに思ったりするのである。
「しかし44やで、44…」
「なんべんも言うな」
「今死んでもさほど不思議ではない年齢やで」
「なんちゅう例えや」
「いや33やったらなぁ、今死んだとしたら… えーっ、事故かなんか? てなもんやけどなぁ、44やとこれが… どっか具合悪かったん? になるんやでぇ実際…」
「うーん、うまい事言うなぁオッサン」
「誰がオッサンやねん」
「そう言われればそやなぁ、ある程度自分の死を現実に迫りくるものとして受入れなければならないっちゅう事やなぁ」
「そーゆーこっちゃ、俺はまだ43やし大丈夫やけどなぁ」
「変わらへんがな、あと半年やがなぁ」
「いや43と44では全然違うねん、44に意味があんねん…」
「なんでや?」
「知らんの? 44やで4が重なってるんやで、昔から日本人は生まれてから丸44年で身体が四(死)を意識するようになるって言われてんの…」
「ほんまか? 全然知らんかったわ… しかしおまえよう知っとんなぁ、そんな事…」
「いや、今考えたんや…」
「張り倒したろか!」
と、まぁこの男としゃべっているとこんな調子である。実はワシが学生の頃、漫才コンビを組んでいたというのもこのLPカズが相方であった。コンビ名は忘れもしない《ハァ ペコタンポコタン》という実に時代の最先端を突っ走るような名前であった。もちろん自分達でつけた名前ではない… 《はぁ それからどうした》という先輩コンビが勝手に自分達の門下みたいにつけたものである。そんな感じだから、どっちがペコタンでどっちがポコタンやったんやろう?などという発想はやめていただきたい。ワシらもわからんのやから… まぁこのコンビでのネタは機会があればお披露目してもいいですが、なんせ24年前のネタなんで…
「いずれにせよ、お互いそういう年齢になったし、おまえももうちょっと自分の身体の事は自分で管理せえよ… という事をわざわざ言いにきてやったわけよ」
「あーそーかいな、そらどーもおおきに… ワシかてアホちゃうにゃさかいそんな事くらいちゃんと考えとるがなぁ」
2人は焼酎を飲みながらうだうだと健康が一番やとか検査の数値がどうのとかと、深夜までしゃべり続けた。
そして…
「どーでもえーけど腹減ったしラーメンでも食いにいこか?こってりしたやつね…」
「そやなぁ、ほなワシ黒烏龍茶買うてくるわ…」
だめだ… この人達…
この記事中のワシとLPカズに関する記述はすべて事実でありますが、それ以外(会話を含む)はフィクションであります…
念の為^^;
お好み、鉄板焼き「くま吉」近鉄伏見駅 イズミヤ近く おいしいよ^^
「居酒屋とくちゃん」東中野4丁目 ジョナサン近く よろしくね^^
