今年の春から電車でよく見かける2人組についてお話します。まず2人の人物像について、見た目は次のような感じです。1人は年齢50代半ば、中年太り体型で顔は漫才のシンクタンクのタンク(太い方)みたい(知らねぇ)、割とラフなスタイルでご出勤。もう1人は年齢20代半ば〜後半、中肉中背、顔はつぶやきシロー系で髪の毛はやや長めの無頓着、絶対スポーツマンではない、一応スーツ姿でご出勤。以下私の勝手な想像… 2人は同じ会社に勤めている。弱電、半導体関連上場会社である。技術、開発系の部署で2人は上司と部下という関係にある。2人とも関西人ではない。
そんな2人のここ半年の様子です。
2人は必ず同じ席に座っている。対面型シートの一番端にタンク、その隣にシロー。私はその付近に立っているか、たまにシローの横に座っている。春先から初夏にかけて2人は他愛もない話で盛り上がり、朝の出勤タイムをにこやかに過ごしていた。
夏の暑い盛りのある日、2人の会話…
タンク「カバン変えたの?」
シロー「あぁ、えぇ、買ったんですよ」
2人でシローのカバンを眺めている。
シロー「でも肩当てが小さくてちょっと…」
タンク「あぁそりゃダメだわ、すぐ切れちゃうよ、もっとこう… 布タイプの肩当てじゃないと…」
シロー「あぁ、そうですかねぇ、あはははぁ」
私もチラッとカバンをみた。よく量販店で売っているエレコムのPCを入れるタイプのショルダーバッグだ。ええとこ3千円だろう。確かに肩当てはゴム系の安っぽいやつだ。タンクはしつこく言っている。
タンク「うん絶対ダメだわ、うん、もっとしっかりしたのにしないと…」
シロー「やっぱそうですかねぇ…」
タンク「もっと他になかったの?布とかのしっかりしたの、あるじゃない、なんで?絶対すぐ切れちゃうよ」
シロー「………」
たかがカバンで責める責めるタンク、凹む凹むシロー。私も聞いていたが、かなりしつこい責め方であった。確かに安っぽいが、そんなにすぐ切れてしまう程ではないと思うのだが… せっかく買ったカバンをけちょんけちょんに言われ可哀想なシローであった。
紅葉もようやく色づき始めた秋真っ盛り、2人の会話…
タンク「ほんとダメだね、いつもと同じ…」(怒り口調)
シロー「………」(ずっと俯いている)
タンク「この間○▲※□%#■だよねぇ!」(よく聞こえないが怒っている)
シロー「………」
タンク「喉元過ぎればなんとかだね… ほんとに…」(かなり怒っている)
シロー「………」
タンク「もっかい1からやり直すか?資料…」(投げやり口調)
シロー「………」
何があったか知らないが、朝から責める責めるタンク、凹む凹むシロー。春先の和やかムードはどこへやら… 哀愁漂う俯きシローであった。
そして冷え込み厳しい冬本番を迎えた昨今、2人は相変わらず必ず同じ場所に並んで着席している。しかし2人に会話はない。私が観察出来るのはたった二駅間の5、6分だが、少なくともその間は一切会話がないのである。タンクは憮然とした表情で目を閉じて寝た風を呈し、シローはやっぱり俯き加減で肩のラインが周囲の哀愁をそそっていまる。そこの一角だけ、ちびまるこちゃん風な斜線で覆われているようだ。
こういう風に書いてみると、ネチネチした上司が若い部下をいたぶっているような感じもするが、原因というか内容というかがわからないだけに一概には言えない。ひょっとすると若い部下が想像を絶するバカなのかも知れない。ネチネチした上司と想像を絶するバカな部下という、救いようのない組合せなのかも知れない。しかし、こんな状況になってまで隣同士に座らなければならないのだろうか? 半年ちょっとの間にこんなにも変わってしまった2人。一体何があったんでしょうねぇ?
♪どぉーして どぉーして ぼぉくたちは 出逢ぁってしまぁったのだろう…
ついリフレインが叫んでしまいました^^;
いっぺん関西弁で聞いたろかいなぁ
「なぁなぁ、なんでしゃべらへんのぉ? なぁなぁ、自分らなんでこんななったん? なぁなぁ、自分、なんかしたん? なぁて、なぁて…」

千本上立売上ル「なるかみ」
お好み、鉄板焼き「くま吉」近鉄伏見駅 イズミヤ近く おいしいよ^^
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